毎年、年に一回開催される「ジムニー祭り」。会場の駐車場は来場者のクルマであふれ、メインとなるトライアルレース(JSTC東北デビジョンシリーズ戦併催)は、コース一周をギャラリーが埋め尽くす。四駆業界最大規模を誇るイベントだ。
このイベントの前身となる「ジムニーフェスティバル」から数えると約20年。取材スタッフとして、2回目から参加しているが、年を重ねるたびに規模が大きくなっていくイベントを、毎年私自身も楽しみにしている。そしてもちろん、ギャラリーが見守るコースで走ろうと、選手達は全国からこの「ジムニー祭り」を目指して集まってくる。東北のみならず、全国のジムニー乗りから愛されているイベントなのだ。
しかし20年前は違った。「このイベントを始める頃は、ジムニーと言えば、後ろ指を指されるような扱いでね」と、矢羽々氏は当時を振り返る。でも「もしギャラリーに囲まれて、自分のタイムが掲示板に表示されて喝采を受けたら…。きっとジムニーに対する見方も変わってくるだろうと信じて、このイベントをスタートさせたんだ」と語る。
そして20年たった今。エヌズ・ステージのある盛岡市内の国道4号線には、ジムニーを前面に展示するスズキのディーラーが、何件も立ち並ぶようになった。
ジムニーのステージアップを目指して企画したイベントは、全国から選手を収容するイベントへと成長。それとともに、ジムニーを時代の主流へと押し上げた原動力のひとつと言えよう。
毎年開催される「ジムニー祭り」は、ジムニーのワンメイクレースがメインコンテンツだが、イベントでの楽しみ方はそれだけではない!
東北四駆イベントの風物詩として、すっかり根付いたこのイベントには、東北一円からお客さんが集まる。そして多くは家族連れ。お父さんはレースへ、そしてお母さんと子供は別のプログラムが楽しめる。毎年編集部も取材させて頂くが、全てのプログラムを撮影しようとするため、ほぼ座ることがない。それだけコンテンツが充実している。
趣味にも役立つクルマの提案
フィッシングマスターもそのひとつ
最近マグロ釣りに傾倒しているエヌズ・ステージ代表矢羽々氏。しかし意外にも、そのきっかけは同社の社内リクリエーションだった。
「震災の翌年にね、社内のみんなとマダイ釣りに行ったんだ。そしたら、大型のサカナに追われた小魚のなぶらが迫って来てね。その主はマグロだったんだけど。帰ってから、タックルでマグロ釣りのことを調べていたら、結構アングラーがいて。それからマグロも狙うようになったんだ」と語る。
写真にもあるように、マグロだけではなく、渓流へもスタッフらとともに出掛ける。ルアーフィッシングがもっぱらとのことだが、たとえばマスとかアユといった魚を釣る場合には、釣れそうな時間帯が訪れるまで、河川の近くで待つのだという。
目的地に着いたら、脚を伸ばしてゆっくりと身体を休ませ英気を養えるなら、釣果にも、そして帰路も楽になるはず。そんな発想から、フィッシングギアが積めて、疲れた身体も癒せる快適な室内空間のあるクルマ開発を行うこととなった。
釣り仕様の「フィッシングマスター」は、ジムニーやハスラーに加え最近ではエブリイもラインナップ。エブリイはマスやアユを狙う釣り師に、イワナ釣りにはジムニーが選ばれていると言う。
新車コンプリートをプロデュースする同社のクルマ創りは「オーナー達の趣味にも役立つクルマ創り」の域まで拡がっている。「自分たちも同じことをしていないと、彼らの気持ちを、本当に理解することは出来ないからね」と最後に語ってくれた。
エヌズ・ステージがプロデュースする新車コンプリート「N’s Limted」に、釣り仕様の「フィッシングマスター」がラインナップされている。このフィッシングマスタープロジェクト立ち上げのきっかけは渓流釣り。特にマスやアユ釣りは、河川の近くで釣れる時間帯が訪れるのを待つんだとか。林道や小道、ぬかるみが走れて、フィッシングギアを載せ、疲れた身体を癒せる快適な室内空間があって…。こうしてエブリイも「フィッシングマスター」に加わった。ジムニーやハスラーにも設定がある。