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特集記事
編集部が取材した記事を楽しむ事が出来ます。

【林道ツーリング】山形県/朝日スーパー林道

2014.12.12

 

 

 

1412-01林道の中には地元が観光用スポットのひとつとして売り出している道がある。
山形県と新潟県を結ぶ『朝日スーパー林道』もその内のひとつ。
舗装化が進んではいるものの、まだ約20kmのロングダートが楽しめる。
さらに古代から続いている、手つかずのブナの原生林の中を走るのだ。
林道好きなら一度は走ってみたいルートである。

現地の友人にアテンドを依頼

9月中旬に山形県で異なる仕事が2件入った。いずれもカメラマンはお馴染みの山岡氏が同行するので、「せっかく山形へ行くのなら…」とふたりでスケジュールを巧みに調整。さらに現地の友人に車両レンタルとアテンドをお願いして林道ツーリングを企画した。

ちなみに友人とは、山形県小国町にある人気のジムニー専門店『K-PRODUCTS』(以下・Kプロ)の今(こん)社長。同い年で価値観や性格が似ているため、仕事の関係抜きに仲良くしている間柄なのだ。近場の林道はほとんど走り尽くしており、また『白い森山楽隊』というNPO法人に参加して、林道の整備&パトロールを行っているから、林道の最新情報は完璧。そこで筆者がリクエストしたのは、『ビギナーでも安心して走れる林道』と、『味わい深い温泉』、そして『評判の飲食店』の3つ。そんなリクエストに今さんが選んだメニューは、『朝日スーパー林道』と『飯豊温泉』、そして行列のできる『蕎麦屋』と『お菓子屋』だった。さて、どんな旅が待ち受けているのだろう?

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今社長の他、Kプロの常連さんが同行。仲間が多いと何かと心強く、そして楽しみも倍増! 先導は今さんが務める。

気分爽快のフラットダート

『朝日スーパー林道』は、新潟県岩船郡朝日村と山形県東田川郡朝日村を結び、その全長は約52kmに及ぶ。昭和46年7月に着工され昭和58年10月に完成して現在は県道に昇格(県道鶴岡村上線・349号線)されたこともあり舗装部分が増えたが、それでも約20km近くのダートを残している。支線も無数にあり、それらを走るとなると1日ではとても回りきれないほど広大なダートエリアである。

また行政(特に新潟県)は観光スポットのひとつとして力を入れており、村上市のホームページでは通行に関する最新情報を掲載。ビギナーでも安心して走れる、敷居が低いとても魅力的な林道となっている。

今回はKプロのある小国町側からアプローチする。早朝、同店に行くと5台のジムニーが停まっていた。今回のツーリング情報を聞きつけた常連さんが「是非一緒に行かせて!」と集まったのだ。筆者も全員知っているし、気の合う仲間は多い方が楽しいから断る理由などない。今さんを先頭に5台のコンボイを組んで、いざ出発!

町中から30〜40分ほど走ったところで山道に入り、しばらく進むと路面がダートに変わった。長い林道走行の始まりだ。ちなみに、このルートは『朝日スーパー林道』の途中から合流する支線。それでも10km近く続いているので、走り甲斐は十分。景色はさほど望めないが、走りやすいフラットダートで、気分良くドライブできる。またブナ林なので、木々に覆われているが視界が明るく、とても爽快。これが林道ツーリングの醍醐味だ。

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広葉樹が作り出す緑のトンネルは、瑞々しくて明るい。支線なのだが道幅は広くて、路面の整備も行き届いている。

『朝日スーパー林道』に合流すると路面状況はさらに良くなった。所々で舗装路になるが、すでに10kmものダートを走っているので、かえって気分転換になる。とりあえず目指すのは、人気観光スポットのひとつ『鈴ケ滝』。山肌を流れる様が見応えのある滝だという。

それにしても『朝日スーパー林道』は快適だ。快適過ぎる。なんせダート路面なのに積載車が通るのだから(さすがにあれは驚いたが!)。少しくらい緊張するような箇所があったらな…というのは欲張りか?

『鈴ケ滝』の看板通り進む。支線になるので「路面は多少荒れるかな?」と思ったが、『鈴ケ滝』が観光スポットになっているため、ずっと快適なダートが続いていた。ん〜残念。

広場があり、そこに『滝まで15分』の看板が立っていたので散歩がてら行くことにしたのだが、すぐに思い切り後悔した。日頃の運動不足がたたり、ツラいのなんのって…。しかしそこに広がる原生林を見て、疲れが吹き飛んだ。

ブナの木とシダが作り出す緑一面の空間、そしてそこに太陽の光が射し込む光景は『綺麗』のひと言。どんな素晴らしい腕を持つ芸術家でも絶対に作れない美しさである。これを見られただけでも、今回の旅は十分! と思えるほどの感動だった。

その後に向かったのは『素掘りトンネル』。これまた林道ツーリングならではのスポットだ。悪く言えば『とっても雑』、よく言えば『味わい深い』と言えるほど、壁面の凸凹が強烈。それにしても『よく人力でこんなに掘ったもんだ』と、これまた感心。

トンネルを抜けてしばらく走ったところが手頃な広場だったのでランチタイム。 コンビニで買ったおにぎりにペットボトルのお茶だが、林道を走った満足感とアウトドアという特別なスパイスが加味されて非常に美味い! やっぱり林道走行はイイな〜と改めて実感したのであった。

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我々の足として、常連のシゲさんからJB43を拝借。Kプロのサスキットを装着しているから、ドライブは快適&安心!

 

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朝日スーパー林道は観光道路になっているため、ダート部分も乗用車でも走れるよう整備されている。少し物足りない…?

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素掘りトンネル付近から眺めた『鈴ケ滝』。滝壺側からよりも、こちらから見た方が迫力あってオススメ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時間の関係でそのまま同じルートで戻ったのだが、ダートだけでも50km超、時間にして5時間以上も走ったから心地よい疲労が襲ってきた。この後の温泉が楽しみだ! ちなみに林道走行は1日目だけ。それでも50kmものダートを走ったので、十二分に満足している。

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今回の参加メンバー。前列右より、シゲさん、こうたさん、梅ちゃん。後列右より、山岡カメラマン、今さん、ニイノさん、筆者。

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『鈴ケ滝』の遊歩道に広がるブナの原生林。古代から続く、手つかずの大自然だ。とても幻想的!

飯豊連峰を眺望できる温泉

今回の宿は、名峰『飯豊山』の麓にある『飯豊温泉』の『梅花皮荘』。リーズナブルな値段で泊まれる国民宿舎だ。館内にある温泉は内風呂だけで、露天風呂は隣に建つ別館『川入荘』に備わっている。いずれも晴れていれば飯豊連峰を眺望できるのが魅力だ。

この『梅花皮荘』は『かいらぎそう』と読むのだが、なぜそんな名前が付けられたのか簡単に説明しておこう。

『梅花皮』はインド洋などに生息するエイの皮にうるしを塗って研いだモノ。古くから刀剣類の装飾に使われている。皮の表面の出っ張った部分は白く、へこんだ部分は黒くなっていて、まるで梅の花が咲いたように見えることから付けられたという。飯豊連峰にある山の『石転び沢』の雪渓が、その『梅花皮』に似ていることから『梅花皮岳』と名付けられ、その名称を使ったのである。

飯豊温泉は約800年の歴史を誇る温泉。茶褐色のナトリウム・カルシウム・塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩温泉で、温度は温めだがとにかく身体の芯から温まるのが特徴。とても気持ちの良い温泉である。

純粋に温泉を楽しむ人やハイキングに訪れた人達に人気の宿で、我々が宿泊した日は満員御礼。質の良い温泉とリーズナブルな値段もそうだが、人気の理由は料理にもある。メニューは川魚をメインとした、山奥の温泉宿の一般的なモノなのだが、味付けがとても良いのだ。正直「食事は国民宿舎だから…」と思っていたので、これは嬉しい誤算。日帰り入浴も可能だが、その際は是非とも食事を! また今回は土砂崩れで閉鎖されていたが、温泉のすぐ近くに、かなり走り甲斐のある林道があるとか! いつかその林道を走ってみたいものである。

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『梅花皮荘』の内風呂。晴れていれば飯豊連峰の眺望が楽しめる。茶色のお湯で温度はやや低めだが、身体が芯から温まる。

http://www.siroimori.co.jp/

 

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別館『川入荘』の露天風呂。日帰り入浴が可能で、平日でも非常に多くの人が訪れる。11月初旬〜4月中旬まで冬季閉鎖。

 

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梅花皮荘の夕食メニューは、山形名物の『芋煮』や川魚、蕎麦など多種。見た目は普通だが、味付けが素晴らしい!

 

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Kプロの近くにある『手打そば処 丸武』の蕎麦と天ぷら。多くのリピーターを抱えており、ゴールデンウィークや夏休みともなれば行列も当たり前の人気店。山形県西置賜郡小国町あけぼの2-1-1

 

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作りたての和菓子や洋菓子を豊富に揃える、大人気の甘味処『木村屋菓子店』。
写真は生シュークリームと塩キャラメルロールカット。ここはマジで美味い!
http://oguni-kimuraya.jp/

 

文章:内田 靖/写真:山岡和正